西方裕之 全曲集 2012

西方裕之 西方裕之 全曲集 2012歌詞
1.雨の奥飛騨路

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

啼いて飛び立つ 雷鳥の
声もさびしい 山の駅
逢う瀬せつなく いのちを燃やし
今朝は別れて 行く人よ
いかないで
いかないで 雨の奥飛騨路

逢えばうれしい 人だけど
つらい別れを 連れてくる
夜に浮かんだ 赤ちょうちんで
夢を注がれて 飲むお酒
いかないで
いかないで 雨の奥飛騨路

体ひとつで もどれたら
ここでおまえと 出直そう
そんな言葉に また泣かされて
送る背中の 女傘
いかないで
いかないで 雨の奥飛騨路


2.水月

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

たとえあなたに愛されていても
私ひとりの人ではないから
いつも別れの予感におびえながら
暮らしていたわ
風の匂い忘れた都会(まち)で
水に映った満月を眺め
うしろ姿に涙をながす
月の光を両掌ですくえば
指に触れるものは悲しみばかり

今はひとり 泣いていたい
サヨナラだけが人生と あなたは言うけど…

好きとあなたに抱きしめられた日
白い窓からコバルト・ブルーの
海がきらきら輝きまぶしかった
あの夏の午後
髪にふれたあなたの笑顔
水に映った満月を眺め
うしろ姿に涙を流す
月の光を両掌ですくえば
指に触れるものは悲しみばかり

今はひとり 泣いていたい
サヨナラだけが人生と あなたは言うけど…

今はひとり 泣いていたい
サヨナラだけが人生と あなたは言うけど…


3.男なら~平成節~

作詞:鮫島琉星
作曲:草笛圭三

男なら 男なら
福沢諭吉の教えにそむき 人の上には人垣だらけ
格差社会をぶちこわせ 男ならやってみな!

男なら 男なら
メールじゃ言えない本当の気持ち デジタル社会に毒されてるが
男女関係はアナログだ 男ならやってみな!

男なら 男なら
草食男子と笑えば笑え 岩を砕いて根は深く伸び
「eco(エコ)」の時代は勝ち組だ 男ならやってみな!

男なら 男なら
お上にゃわからぬ地方の痛み 田舎(くに)に残した大事な家族
会う日 夢みて酒を飲む 男ならやってみな!

女なら 女なら
のるかそるかの玉の輿(こし)なの セレブ夢みてイケメン捜し
勝負下着で今日も行く 女ならやってみな!

男なら 男なら
長いものにはグルグル巻きで 強きを助ける浮世(うきよ)の不思議
大和魂取り戻せ 男ならやってみな!

男なら 男なら
税金上がるが稼ぎは下がる 金で買われたこの身だけれど
心売らない ど根性 男ならやってみな!

人として 人として
生まれたからには長生きしよう 高齢社会も甘くはないが
いつか花咲く時も来る 人としてやってみな!

男ならやってみな!
男ならやってみな!


4.おやじの舟唄

作詞:坂口照幸
作曲:宮下健治

「学がないから 手紙は好かん」
頑固なおやじが 自分から
たった一枚 便箋に
舟を下りたと 走り書き
石より重いよ この便り
聞こえてくるのさ
…おやじの おやじの舟唄が

「海は広いと 云うけれど
せがれ住む街ゃ なお遠い」

どこも昔は 貧乏所帯
それでも酒だけ あったよナ
いつもおやじと 比べられ
影が薄いと 云われたよ
故郷恋しく 酔うばかり
聞こえてくるのさ
…おやじの おやじの舟唄が

コート羽織れば 目に浮かぶのさ
男の匂いの ゴム合羽
いつかおやじの 生き方を
俺も追ってる 四十路坂
帰ろか あしたはあの海へ
聞こえてくるのさ
…おやじの おやじの舟唄が


5.寒桜

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

逢えるだけでも うれしい人に
逢えば抱かれて 女にもどる
人目忍んで ただ一夜
咲いて短かい 命なら
明日は散れちれ
あなたひとりの 寒桜

いつか愛して 泣く日がきても
いいのそれでも 悔いないわたし
何もいらない あなただけ
燃えて一途に 身をなげる
明日は散れちれ
あなたひとりの 寒桜

宿の時計を 遅らせたって
つらい別れが 二人を離す
せめてこのまま もう少し
そばにいさせて 腕の中
明日は散れちれ
あなたひとりの 寒桜


6.津軽の春

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

流れる雲に 故郷(こきょう)が見える
リンゴの花咲く 津軽の春よ
みんな元気か 変わりはないか
あの町 あの顔 なつかしい
あーふるさとは 心の駅だ

白樺林(しらかばばやし) みどりの丘に
二人で眺(なが)めた お岩木山(いわきやま)よ
夜行列車に 思いを残し
別れた あの子の あの涙
あーあの日から 幾年(いくとせ)過ぎた

厳(きび)しい冬の 寒さに耐えて
大地(だいち)が芽をふく 津軽の春よ
いつも勇気と やさしさくれる
あの山 あの川 あかね空
あーふるさとは 心の駅だ


7.雨情話

作詞:岡みゆき
作曲:徳久広司

誰の残り香 あなたの枕
知らぬふりして すがる胸
そんな人では なかったはずと
燃える身体の 裏側で
雨 雨 雨が降る
別れの音も しのび足

のぼりつめれば 男のこころ
冷めるものよと 聞く噂
あなたお願い 違うと云って…
指をからめば 窓の外
雨 雨 雨が泣く
夢みた夢も とぎれがち

愛し方さえ いつもと違う
怖いくらいに やさしくて
泣いて叫んで 泣きたい訳を
云えばどうなる この恋に
雨 雨 雨が降る
悲しみ色に 染まる夜


8.雪夜酒

作詞:水木れいじ
作曲:市川昭介

宿の蛇の目傘(じゃのめ)に 身をよせあって
渡るこの世の 罪の橋
逢うが別れの いで湯の郷(さと)で
人目しのんで 燃える恋…
あなた酔わせて…酔わせて…雪夜酒(ゆきよざけ)

まわり道でも 倖せ探す
肩にひとひら 冬紅葉(ふゆもみじ)
寒くないかと 両手で包む
そんな情(なさけ)が ただ欲しい…
あなた泣かせて…泣かせて…雪夜酒

あれは始発の 汽笛の音か
こころ乱れる 虎落笛(もがりぶえ)
雪見障子を 背中で閉めて
すがる女の 夢ひとつ…
あなた抱いてて…抱いてて…雪夜酒


9.湯けむりの宿

作詞:たかたかし
作曲:岡千秋

送る背中が つらいから
わたし始発で 帰ります
湯けむりの
湯けむりの なさけ宿
昨夜あなたに 愛されて
今朝はわかれる いで湯駅

明日が見えない ふたりでも
契(ちぎ)る情けに うそはない
湯けむりの
湯けむりの しのび宿
光る線路の その先は
狭霧(さぎり)流れる いで湯駅

倫(みち)にはずれた 恋だけど
罪はわたしが せおいます
湯けむりの
湯けむりの かくれ宿
胸にあなたの ぬくもりを
抱いて汽車待つ いで湯駅


10.赤とんぼ

作詞:たきのえいじ
作曲:弦哲也

夕焼けが やけに目に沁みる
ビルの谷間の 赤とんぼ
なつかしい ふるさとが
まぶた閉じれば 浮かんでくるよ
帰りたいよ あの町へ
流れゆくあの雲に 乗って行きたいよ

夢だけは 今もこの胸に
抱いているのさ 人知れず
気にかかる 今もなお
幼馴染(おさななじみ)のあの娘(こ)の事が
しあわせなら それでいい
流れゆくあの雲を 何処で見てるやら

かんべんな 便り出しもせず
いつになるやら 帰る日は
達者かな おふくろは
親父カラオケ唄ってるかな
変わりないか 風邪ひくな
流れゆくあの雲に 祈るこの俺さ


11.薄羽かげろう

作詞:吉岡治
作曲:徳久広司

宿の浴衣(ゆかた)の 藍染(あいぞめ)に
触れればたちまち 罪になる
脱いでも脱いでも あゝ わたし女です
枕灯(まくらあか)りに 焦(こ)がれて痩(や)せた
薄羽(うすば)かげろう おんな宿

紙のこよりの 指輪でも
あなたに貰(もら)えば 嬉しくて
一夜の一夜の あゝ 赤い契り糸
夢でふたりが 飛べたらいいわ
薄羽(うすば)かげろう 恋地獄

忍ぶ恋でも 恋は恋
口惜(くや)しい縁(えにし)の 闇路(やみじ)です
抱いても 抱いても あゝ 別れつれてくる
命まるごと 預けてみても
薄羽(うすば)かげろう おんな宿


12.夢追い川

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

川の瀬音か 降る雨か
山の湯宿(ゆやど)は こころがしぐれる
夢をみさせて もう一度
浴衣の肩を抱きよせた
あの日のあなたが盃(さかずき)に
こぼれてすがる 夢追い川よ

誰を呼ぶのか 水鳥よ
声がわびしく 夜雨(よさめ)にあとひく
夢をみさせて ねぇ あなた
拭いても残るくち紅の
色さえさみしく身をせめる
あなたが欲しい 夢追い川よ

酔いにうたたね 手枕の
耳に流れる せせらぎ悲しい
夢をみさせて もう一度
湯の香に匂う黒髪が
今夜もあなたに濡れながら
乱れてからむ 夢追い川よ


13.恋文流し

作詞:星野哲郎
作曲:徳久広司

みどりの川の 紅い橋
渡れば揺れる 藤の花
忘れるはずが 忘られなくて
私はいまも 独(ひと)りです
ひらひらひらと 散る花は
あなたに送る 恋文流し

見つめる人の 悩みまで
洗ってくれる 人でした
あなたの化身(けしん) 紫花(むらさきばな)の
花びら拾い くちづけて
ひらひらひらと 天国へ
届けと送る 恋文流し

あなたを偲ぶ 山の端(は)の
花残月(はなざんげつ)の 懐かしさ
女の春を 粗末にするな
叱ってくれた あの声を
ひらひらひらと いまいちど
返して欲しい 恋文流し


14.恋路川

作詞:早川詩朗・鳥居実
作曲:板谷隆

バカな女と云われてもいい
すがりつきたいもう一度
いやよいやです次の世なんて
死んでいいのね この恋抱いて
どこまで迷う 恋路川

逢えぬつらさに涙もかれて
ひとり女の頼りなさ
あなた以外に愛するなんて
とてもできない 出来ない女
どこまで迷う 恋路川

一生一度のこの恋だから
思いきれない忘れない
あるき疲れた心の中に
いつかぼんやり夕陽も落ちて
どこまで迷う 恋路川


15.紀ノ川

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

春まだ浅い 吉野路(よしのじ)を
追われてゆくのも 恋のため
降る雨のつめたさ 肩をぬらして
人目(ひとめ)しのんで 舟を漕(こ)ぐ
あなただけ おまえだけ 情けの紀ノ川

行方(ゆくえ)もしれぬ さざ波の
うわさがつらい 木(こ)の葉舟(かぶね)
身をよせて手と手を かさねあわせて
にじむ灯りに 目をぬらす
あなただけ おまえだけ 涙の紀ノ川

漂うだけの 水草(みずくさ)も
春には芽を吹く いのち草
この川の果てには きっとふたりの
愛を結べる 岸がある
あなただけ おまえだけ 情けの紀ノ川


16.遠花火

作詞:竜はじめ
作曲:徳久広司

下駄がからころ 後追うように
浴衣の裾に 絡みつく
夜空にひとつ またひとつ
肩を寄せ合う 橋の上
瞬間(とき)を彩る 遠花火

燃えて広がる 菊一輪も
音と光の すれ違い
川面(かわも)にひとつ またひとつ
添えぬ二人に 似た運命(さだめ)
消えて儚(はかな)い 遠花火

縋(すが)りつきたい 思いの丈(たけ)を
秘めて髪梳(す)く いで湯宿
鏡にひとつ またひとつ
今宵かぎりの 花化粧
咲いて散りゆく 遠花火